執筆者:まさや
系統的脱感作とは
系統的脱感作は、恐怖や不安に対処していく技法で「暴露療法」の一つです
「恐怖症、不安障害」といった症状の克服に利用されています。
考案者は南アフリカで戦争神経症の治療を行っていた精神科医ジョセフ・ウォルピで「逆制止の原理」を利用した行動療法の1つです。
「逆制止の原理」とは、不安や恐怖と相反する反応(拮抗反応)を同時に起こすことができれば、不安や恐怖は打ち消されるという説です。簡単にいうと、不安や恐怖といったマイナス感情を感じているときに、同じ強度の安心・リラックスといったプラス感情を感じているようにしていくと不安はなくなっているといった考え方です。(例えば、蛇恐怖症の人が、蛇を見ているときにリラックスな状態でいるようにする)
「系統的脱感作」は、 別名(逆制止法)ともいいます。
実経験ではなく、イメージングで行うために安全性は高いものの効果は弱く、あまり臨床では使用されていない方法です。一方で家庭でも一人でシュミレーション的に実践できるメリットがあります。
対象となる症状
恐怖症、不安障害、強迫性障害、PTSD、あがり症など
例)
‧ 潔癖症(汚いと感じるものに触れない、手をずっと洗ってしまう
‧ 確認強迫・・玄関のドアやガスの確認を何度もしてしまう
‧ 縁起強迫・・物事を進める前に様々な儀式をしてしまう
‧ 不完全恐怖・・配置が自分が決めた通りになっていないといけない
‧ 強迫性緩慢・・一つ一つの動作を頭の中で確認してしまう
‧ 収集癖・・集めたものを捨てられずごみ屋敷になっている
系統的脱感作法の下準備
系統的脱感作法を行うには、まず
が必要です。
まずは、これらの下準備、トレーニングが必要になります。
3-1.不安階層表の作成
不安階層表とは、不安や恐怖を感じる刺激や場面を具体的に挙げていき、それらを約10段階、0~100点の強度(SUD)に振り分けて段階的に配列させた表です。
まずは、対象とする恐怖の場面を箇条書きにしていくつかあげていき、その中から10個抜き出して軽度→重度に並べていきます。
次にそれぞれの場面での、不安・緊張・恐怖の強度SUDを0~100点で評価します。
SUD:自覚的障害単位
(具体例)
あがり症の人の場合、どのような場面であがるかSUDでランク付け。
No | 項目 | SUD |
1 | 家族との対話 | 10 |
2 | 親しい友人との対話 | 20 |
3 | 親しくない人との対話 | 30 |
4 | 上司への報告 | 40 |
5 | 小グループでの会話 | 50 |
6 | 失敗事を上司へ報告 | 60 |
7 | 会議室での報告 | 70 |
8 | 少人数での会議の進行役 | 80 |
9 | 50人以上の人前でのプレゼン | 90 |
10 |
大人数の会議の進行役 | 100 |
3-2.筋弛緩法のマスター
筋弛緩法は、「自律訓練法」、「漸進的筋弛緩法」といったリラクゼーション法で、様々な種類があります。どんな場面においてもリラックスできる方法を考え、意図的に実施できるようにします。自分にあった筋弛緩方法を一つ見つけ練習します。
「Natural Selfcare Program」を利用されている方は、「Holistic Healing」か「マインドフルネス音声」あるいは「トランスビート」がおすすめです。
<筋弛緩訓練の種類>
- 主張反応
- 運動反応
- 漸進的筋弛緩法
- 自律訓練法
- 呼吸法
- 自己弛緩法
- 催眠療法
など
系統的脱感作の実践
不安階層表の中で示された刺激項目に対して、弛緩反応を条件づけの訓練をします。
これを「脱感作」といいます。
脱感作には、その場所にいって現実場面で体験させながら脱感作する場合(現実脱感作)とイメージに基づいて脱感作する場合(イメージ脱感作)の2通りがあります。
どちらも不安階層表に基づいて行われますが、ここではイメージ脱感作について説明します。
具体例
自律訓練で行う場合
- 階層表中でSUDが一番弱い場面をイメージ。
- 自律訓練で弛緩反応を行う。
- 緊張状態がなくなったら、ランクをあげる。
- 3と4を繰り返していき、最もSUDが高い部分で緊張がなくなれば終了。
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