執筆者:まさや
マインドフルネスとは
不安、恐怖症の克服に自律訓練法と並び、近年利用されるようになったのが「マインドフルネス」です。
マインドフルネスは仏教指導者から禅を学んだマサチューセッツ工科大学のジョン・カバット・ジン氏によって西洋科学と統合し「呼吸法」、「あるがまま」の心の使い方により、ストレスホルモンの分泌を抑える方法を用いた心理療法です。
座禅のような難しい姿勢を要するわけでないため、手軽に実践できる手法で、欧米などではよく使用されていた技法ですが、日本においても浸透しつつあります。マインドフルネスをつかった認知行動療法は第3世代行動療法ともいわれ、その多くはグループ形式で行うものが特徴です。
ハーバード大学のサラ・ラザー准教授は一日45分のマインドフルネスを8週間行った人の脳を調べ、その結果、被験者の海馬が増え、扁桃体が減少(感情が安定化)しているということを報告しています。
また、マインドフルネスによって、脳の前頭前野の厚みが増し、血流がよくなるという実験データも得られており、不安、恐怖をコントロールする扁桃体が縮小し、自制心が抑えられると言われています。
マインドフルネスの利用はこんなときに
・お昼休みの休憩時間、乗り物に乗っているときなど、短時間で場所をとらず手軽に実践したい場合のストレス解消法に。
・暴露療法での筋弛緩法として。
マインドフルネスの種類
実践法には瞑想法、呼吸法、発声法、歩行法、お手玉やキャンディを使った様々な方法などがあり、症状によって使い分けます。いずれの手法においても重要なことが、感覚の変化を実況生中継で感じ取ることです。例えば呼吸しているときにはお腹の動きを、食べるときは味をじっくり感じることなど現在行っている動作を「ありのまま」に感じ観察します。
椅子に座って行うマインドフルネス瞑想のやり方
やり方は人それぞれですが、手軽にできる基本的なものをとりあげます。
最初は、10~15分を目安に始めます。
1.背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、目を閉じる
背筋を伸ばして、体を左右横にゆすりながら、体が真っ直ぐになる位置を見つけ、全身の力を抜いて目を閉じます。
2.呼吸に注意を向ける
・呼吸は鼻で行い、長さはコントロールせず行います。
・腹式呼吸で行い、息を吸っているときはお腹が膨らんでいる感覚を
「膨らんでいる、膨らんでいる」
と感じながら心の中で実況中継し、
吐いているときはへこんでいく感覚を
「縮んでいる、縮んでいる」
と実況中継するように行います。
※何か雑念が湧いてきても、雑念をありのままに観察します。
3.身体全体に吸った息が広がっていくイメージで呼吸していく。
吸った息が手足の先まで流れ込んでいくことをイメージし
「膨らんでいる、膨らんでいる」
と心の中で唱え、
吐く息が身体の隅々から流れ出ていくように感じながら、
「縮んでいる、縮んでいる」
と実況を続けていきます。
4.体内への注意から体外へ注意を広げていく。
身体から次に部屋の空間の隅々に注意を向け、空間のすべてを感じ取っていきます。(例えば、空気の動き、温度、広さ、音など)
さらに、部屋の外の空間(外の音など)にも意識を向けていく。
※このとき3の実況中継「膨らんでいる、縮んでいる」も続けながら行いますが、だんだん外に意識を向けるにつれて消えていくのを見届けます。
5.10分後、瞑想を終了
目の裏に意識を向け目を開け終了です。
歩く瞑想
歩く瞑想は毎日の規則的な日常生活の中で行う方法と、30分~1時間と時間を決めて集中的に行う方法があります。
A)日常的に行う場合
通勤時などを利用する場合で、普通のペースで歩き、足の動きとともに「左、右、左、右」と言葉で確認しながら足が着地して歩いている感覚を実感しながら行います。
B)集中的に行う場合
1)姿勢
背筋を伸ばし、手を前か後ろで組む
2)歩く
左足から踏み出す場合は、左足に意識を集中し、「あがる」、「ふみだす」、「おろす」と頭の中で 実況中継しながら歩きます。この時、足を動かしている感覚を感じることに集中することが大切です。
3)歩くスピード
足の感覚をつかみやすいスピードで普段よりややスローペースで歩いてください。
食べる瞑想
例えばチョコレートを食べる場合
1)じっくり観察する
チョコレートを一つ取り出し、じっくり形状、色、香りなど観察し、どのような味がするかイメージします。
2)じっくり味わう
チョコレートを口に入れ、じっくり味わう。
ゆっくり時間をかけて口の中で溶けていく感覚や味を感じます。
3)じっくり飲み込む
溶けたチョコレートの味が完全にしなくなるまでじっくり味わいます。また、唾液が咽を通っていく感覚までしっかりと感じて下さい。
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